ラジカル制御形塗料
ラジカル制御塗料はどんな塗料なのか?
ラジカル制御型塗料とは「ラジカル制御型の酸化チタン」と「光安定剤(HALS)」を使った塗料です。
ラジカル
ラジカルとは、塗料を調色するときに使う酸化チタン(白色顔料)に、太陽光の紫外線が当たることで発生するエネルギーです。発生したラジカルは、塗料の樹脂や有機顔料の劣化させてしまいます。例えば、塗膜の劣化症状で色褪せやチョーキング現象を引き起こす原因になります。
光安定剤(HALS)
光安定剤は、ラジカル制御型酸化チタンのバリアー層からラジカルを補足する役目で、ラジカルが漏れ出したときに捕まえるための添加剤になります。
酸化チタン
酸化チタンは、塗料を調色するとき(一般的には淡彩色系)に必要な白色顔料です。また、下地の色を覆い隠す隠ぺい力を高める効果もあります。そのため、塗料を調色する際には酸化チタンは欠かせない顔料です。
ラジカル制御型酸化チタン
従来の酸化チタンと違い、ラジカルを閉じ込めるためのバリアー層によって、紫外線から樹脂や顔料に直接ダメージを与えず対候性が良くすることができます。
ラジカル制御塗料のオススメポイント
■高耐久性塗料の中ではコストが安い
ラジカルシリコン樹脂の大きなメリットは、シリコン以上フッ素樹脂並みの対候性がある点です。1缶当たりの値段は、シリコンより少し高いくらいなのに対して、耐久性はフッ素並みと言われています。そのため、価格の割に耐久性が高いというコストパフォーマンスに優れています。
■光沢があるので低汚染性に優れている
例えば、日本ペイントのパーフェクトトップは、「促進耐候性試験で2500時間経過後、光沢保持率が80%」と、優れた高光沢を実現しております。また、調色の際に3分ツヤ、ツヤ消しなどツヤの調整も幅広いです。親水化技術により、低汚染性・防藻・防カビ機能もあるので、汚れ、雨だれ、汚染に対し、優れた効果を発揮します。
■作業性が高い
実際に施工する職人さんの声で、作業性が高いと評判です。サイディング・モルタル・ALCパネルなどに塗装する際に、塗りやすい、塗料の伸びが良い、ムラが出にくいなど言われています。
■チョーキングがしにくい
塗料は、基本的に酸化チタンから発生するラジカルによってチョーキング、変退色が発生します。
ラジカル制御塗料は、ラジカルを制御するすることで塗膜の劣化防ぎ対候性を高くし、チョーキング現象をしにくくします。その結果、美観の保持も高まるので、長持ちすることができるのです。
ラジカル制御塗料のここが気になる
■実績が少ない
市場に販売されてからまだ5年程度なので、実際の実績としてはまだまだなのが現実です。ただし、メーカーの試験や暴露テストをしてから販売されているので、実績がないからと言って不安という事ではありません。メーカーによっては、保証が付くので安心材料の一つになります。
■知名度が低い
現在、主流の塗料はシリコン、フッ素で、一番認知度も高く実際に市場に販売してからの年数も古いので、安心です。職人さんや塗装会社さんの中でも、お客様に提供していない会社もあるので、標準のプランのシリコン、フッ素と比べて、お客様からの知名度が低いです。
■濃彩色の調色が困難
酸化チタンは、白色顔料を調色する際に使用する物で、ラジカルの拡散を防ぐ機能があるという話をしました。そのため、酸化チタンは白色顔料なので濃色を作ることが難しくなってします。
逆に、酸化チタンを使用しない濃色の塗料は、ラジカルが発生せず耐候性に影響を与えることはありません。簡単に説明すると、濃彩色がないわけではなく、ラジカル制御の塗料の機能が生かされないということです。
そのため、濃色の塗料は樹脂の耐候性によって決まり、特に塩害沿いや日射面など含めて塗料の選択が重要になります。