防水工事
防水工事は、ひとことで言うと「建物への水の侵入を防ぐための工事」です。
ビルやマンションなど大型の建物から戸建てまで、さまざまな建造物において防水工事が行われます。施工箇所としては、水の侵入源となる屋上、屋根、ベランダ、バルコニーや外壁などがあります。
通常、新築時は防水工事を施したばかりであるため、工事の不備がない限りは外部から水が侵入してくることはありません。ですが、年数が経つとともに建物にひび割れや傷みが発生し、そこから水が内部に入り込んでくることがあります。そのような場合に防水工事が必要となるのです。
防水工事の目的
建物に防水工事を施す目的は、大きく2つあります。
①建物の劣化を防ぐ
防水を施すことで、結果的に「建物の劣化を防ぐことができる」のが、もっとも大きな目的となります。漏水が起こることで、建物を支える柱や梁が徐々に腐っていったり鉄骨に錆が生じるなど、建物の老朽化が進んでいく危険があります。
建物の耐久性が落ちるということは、住まいの安全に関わることであるため、漏水している箇所を見つけたら、出来るだけ早く防水工事を依頼することが大切です。一方で、普段生活している上で漏水に気がつくことはなかなか難しいということもあります。
ビルやマンションなどの大型建築においては十数年に一度、建物全体の大規模な修繕工事を行うため、そのタイミングで必要な箇所に防水工事も施しています。
②快適な住まいを維持する
建物の構造部分だけではなく、屋内まで水が侵入しないようにすることで「快適な住まいを保つ」ことも防水工事の目的です。
雨漏りはもちろんですが、目に見えないところで漏水が起こり、カビの発生に繋がってしまうこともあります。カビが発生することで、ぜんそくや鼻炎などのアレルギーを引き起こしてしまう恐れがあるため、安心して健康に暮らせる住まいを保つためにも、防水工事は建物にかかわる大切な工事の一つとなっているのです。
★劣化状況と周期から決める
「建物の外部にひび割れや傷みが出てきている」など、劣化状況が目に見える場合には、早急に業者へ工事の依頼をしましょう。
一方で、目に届かない箇所や見た目だけでは判断できない箇所も多いため、もう一つの判断材料として、周期を目安に考えるのも良いでしょう。どの防水材も、おおよそ10〜13年ほどが耐用年数の目安と言われています。10年が過ぎたタイミングで、一度業者へ相談してみるのも良いでしょう。
★定期的に点検をしてもらおう
定期的に建物の状況を点検してもらい、浸水の被害が起きる前のできるだけ早い段階でこまめなメンテナンスをしてもらうのがおすすめです。
「雨漏りが発生してしまった」「漏水に気がつかずに、建物内部の劣化が進んでしまった」となった後では、より大掛かりな工事が必要となりコストが余計にかかってしまうためです。
定期的にメンテナンスをしてもらうことで、防水工事にかかる費用をトータルで安く済ませることができます。
1) ウレタン防水
液体のウレタンを下地に塗るだけで防水層を形成する工法。
防水を施す場所の形状が複雑でも施工できるのが特徴です。工期も短く、コスト面でも安くおさえられます。おもに、屋上、ベランダ、パラペット、庇、笠木、巾木などに使われます。
2) アスファルト防水
合成繊維不織布にアスファルトを含浸したルーフィングシートの工法。 既存防水層が同じアスファルトシートで施工されている場合の改修方法としてよく使われます。
バーナーでシートをあぶり溶かしながら貼る・トーチ工法とアスファルトシートに粘着剤が塗布されていて火を使わず貼る・冷工法があります。おもに、屋上の防水で使われます。
3) 塩ビシート防水
塩化ビニル樹脂で作られた防水シートの工法。
屋上の防水でよく使われます。基本的には、立ち上がり部分は密着工法、平場部分はアンカー固定方法(かぶせ工法)にします。
下地の影響を受けづらく、様々な下地に施工可能なシートの工法です。